豊かな海 壁紙に 〜大月町柏島中〜  (5月12日)

 幡多郡大月町の柏島中学校(田中農三校長)が、今春から柏島の豊かな海をアピールする壁絵の製作を始め、このほど学校のへいに飾った。
 同校には、宿毛湾の豊富な海洋資源を地域振興に生かす拠点施設「黒潮実感センター」(仮称)設立準備委員会事務局が置かれている。映画上映や公園など積極的な環境学習に取り組んでいる。スキューバダイビングなどで島を訪れる人たちにアピールしようと、斜面に面したへいに絵を飾ることにした。
 絵は縦90センチ、横1.8メートルのアクリル板に三枚製作。ブルーをバックにハタタテハゼやネジリンボウ、キンギョハナダイなど柏島ならではのカラフルな魚の絵を描き、「みんなの宝物 柏島の碧い海」とメッセージを添えた。
 絵は今後、約50メートルある壁いっぱいに飾る計画。生徒数が少なく、中学校統合も2年後に迫っているが、田中校長は「地区の小学生やお年寄りの協力や、町外の学校との交流を通じて完成させたい」と語っている。

あす大月町で海洋セミナー (7月16日)

 幡多郡大月町の豊かな海洋環境について学ぶ「第五回海洋セミナー大月」が17日夜、同町柏島の柏島公民館で開かれる。大学研究者や町で作る黒潮実感センター設立準備委員会の主催。
 当日は午後7時から9時まで。日本学術振興会の奥田昇・特別研究員が「海の中の懲りない面々」と題して講演する。ハリメやゲンナイ、イシモチなど幡多でなじみ深いテンジクダイ類が、口の中で卵を守る習性を持っている話などユニークな生態を紹介する。

山の子が海の自然学ぶ〜土佐山小で「環境学習会」 (7月17日)

 海洋生物の宝庫として知られる幡多郡大月町柏島周辺を題材にした「海の環境学習会」が16日、土佐郡土佐山村の土佐山小学校で開かれ、"山の子供"たちは珍しい魚の写真などに目を輝かせていた。
 同小は地域の歴史や自然を学ぶ「こども山嶽社塾」を5年前に開講し、さまざまな校外活動を行っている。今年は「山と海の子ども体験学習交流会」として7月末、1泊2日で柏島訪問を計画。事前学習のため高知大・高知医大非常勤講師の神田優さん(32)を招いた。
 神田さんは柏島の海洋資源を地域振興などに生かす拠点施設建設に取り組んでおり、同小の視聴覚室に集まった5,6年生を前に、パネル写真や自らが撮影した柏島周辺の海中ビデオを使って、さまざまな魚類やサンゴなどの生態を紹介した。
 体の皮がぼろぼろはげ落ちるボロカサゴや、数年前に柏島で発見されたキツネメネジリンボウなど珍しい生き物と、ユーモアを交えた神田さんの説明に、子供たちも「すごい!それ食べられる?」などと目を丸くしていた。
 柏島ではグラスボートでの生物観察などのほか、柏島中生との交流会や橋本大二郎知事との意見交換会なども予定。子供たちは「早く行ってみたいね」と顔を輝かせていた。

JCのTYOP大賞 神田さん(高知大・高知医大非常勤講師)受賞 (8月6日)

 地域活動などさまざまな分野で功績のあった若者に贈られる日本青年会議所「第十三回TYOP(トイップ)大賞'99」の環境庁長官奨励賞に、高知大・高知医大非常勤講師の神田優さん(32)が選ばれ、このほど横浜市で授賞式が行われた。
 同賞は理想や夢を持ち、実践している若者を応援する精度。全国各地のJCの推薦によって医療、福祉、国際協力、文化・芸術などの分野で毎年計十人を表彰している。
 神田さんは、幡多郡大月町柏島に地域の豊かな海洋資源を守り育てる拠点施設「黒潮実感センター」(仮称)の設立を提案。実現に向け、昨年から県内で環境学習会などを開いており、宿毛青年会議所が推薦していた。受賞者には、スキー複合選手の荻原健司さんらも著名人も多いとあって、神田さんは「環境教育と地域保全に向けた取り組みが全国的に評価されてうれしい。構想が実現できるよう、活動を県内外に広げていきたい」と受賞を喜んでいる。

大月町柏島 黒潮実感センター設立へ支援を「友の会」会員募集 (8月17日)

 幡多郡大月町柏島の豊かな海洋環境を生かした拠点施設設立を目指す黒潮実感センター設立準備委員会(会長=柴岡邦男町長)はこのほど、「センター設立友の会」を開設し、会員募集を始めた。構想実現に向けた各種活動を支援してもらうのが目的で、会員にはダイビングスポットなどの情報を提供する。
 同委員会は、高知大研究者や地元住民代表らで昨年七月に発足。柏島は、周囲約四キロの範囲に約一千種に上る魚類が生息する全国有数の海洋生物の宝庫であることから、こうした自然環境を含めた体験型博物館の設立を目指す一方、高知大・高知医大非常勤講師の神田優さん(32)を中心に町内外で海洋セミナーや環境学習会などを開いている。
 友の会は、海中ビデオライブラリー製作や環境教育の教材づくりなど、構想実現に向けた各種活動などを支援してもらうことが狙い。個人や企業に年回費を払ってもらい、会員には会報や電子メールで、周辺のダイビングスポットや新しく確認された魚介類の紹介、同委員会主催のイベントなどを案内する。
 年会費は一人一口1000円(企業など団体賛助会費は一口二万円)。振り込み口座などの問い合わせは柏島中学校内「黒潮実感センター設立準備委員会事務局」(0880・76・0026)。

四国地区TOYP賞 神田さん(大月町)グランプリ 海洋資源保護運動を評価 (8月31日)

 日本青年会議所四国地区協議会が主催する「四国地区TOYP賞」のグランプリに高知大・高知医大非常勤講師、神田優さん(32)=幡多郡大月町柏島=が、準グランプリに車いすマラソン選手の山崎正一さん(40)=高知市東久万=がそれぞれ選ばれた。
「TOYP」は「The Outstanding Young Persons 」の頭文字をとったもので目立った若者という意味。四国地区TOYP大賞は四国内に住み地域活動などさまざまな分野で活躍した若者に贈られる。ことしはそれぞれの地域の青年会議所から推薦を受けた四人がエントリー。このほど公開審査が行われグランプリ一人、準グランプリ二人を選考した。
 神田さんは豊かな海洋資源を守り育てる「黒潮実感センター」(仮称)を柏島に建設することを提案。実現に向け県内の小、中、高校で環境学習講演会を開くなど海洋資源保護運動が評価された。神田さんは日本青年会議所が主催する日本TOYP大賞環境庁長官奨励賞も受賞している。
 準グランプリの山崎さんは昨年、大分国際車いすマラソン大会で国内選手五位に入賞したほか太平洋スーパーチャレンジカップの車いす部門で優勝。シドニーパラリンピックの強化候補選手にも選ばれ、今後の活躍が期待されている。
 授賞式は28日に今治市で行われた。