共同通信社から配信された記事が、
山陽新聞 「ひと」(10月10日)琉球新報「人物往来」(10月7日)など、
全国の地方紙に掲載されました。(以下は山陽新聞「ひと」の記事)
 

 神田 優さん。

だれよりも高知の海を愛している。

「この海には生き物がいっぱいおる。知らんかったろう」 小中学生に自分で撮影した魚や貝の海中写真を見せながらの“講義”に熱が入る。 「海の魅力を教えることが環境保全への第一歩だから」

 四国西南端、さんご礁に囲まれた高知県大月町の柏島を、島ごと自然博物館 (フィールドミュージアム)にしようと提案する「黒潮実感センター設立準備委員 会」の事務局長。 開催した環境教育、体験学習会は二十回を超える。

 昨年4月から島に住み、ほぼ一人で地元説明会やセミナー、行政への要望と奔走してきた。島を囲む日本有数のイシサンゴの群生と約1000種類の魚類は研究者にとり宝庫。多くの新種も発見されている。
「12年前に潜って以来、柏島の魅力に取りつかれた。自分がその素晴らしさをを一番 理解している研究者の一人」と自負する。
 構想は、島全体を博物館に見立て、生きた生態を実感できる「開かれた博物館」を つくる。高知県や大月町も前向きで、2001年春の「開館」を目指す。
 高知市の海辺で育った、大の釣り好き。「人より多く釣るために、魚が何をどう食べてるのか知りたいという思いが、専門の魚類生態学につながった。
「だれよりも高知の海を愛してる」だけに、最近の島周辺の荒廃ぶりを嘆く。「ダイバーが年間1万人も訪れるようになり、船のいかりなどによるサンゴへの被害が増 えている」 自身もガイドで生計を立てるほどの熟練ダイバー。
「環境保全のため規則を守るのがダイバーの基本。ごみがあったらきれいにする。 密漁などはもってのほか」
 高知市出身。33歳。