「高知県・柏島 島ごと自然博物館に」
 愛媛新聞 平成11年9月25日 (共同通信発 全国版掲載)

研究者ら提案 サンゴ・魚豊富に生息

 日本有数のイシサンゴ類の群生に囲まれた高知県西部の大月町柏島を島ごと自然博物館(フィールドミュージアム)にしようという構想が持ち上がっている。
 高知大講師らでつくる「黒潮実感センター設立準備委員会」が提案。高知県や同町も好意的で、実現に向け機運が高まっている。
 柏島は周囲約4km、四国西南端の小さな島。サンゴに加えて、約千種の豊富な魚類が生息し、推計で年間1万人以上のダイバーが訪れる人気ポイントだ。
 構想は、島全体を博物館に見立て、研究、体験の拠点基地「黒潮実感センター」をつくり、自然保護と環境教育の両立を目指す。
 昨年11月以降、同委員会事務局長で高知大非常勤講師(魚類生態学)神田優さん(32)が、小中学生らを対象に始めた環境学習会が好評。高知県が、情報や人材交流で県内各博物館を結ぶネットワークへの同センターの参加を決め、大月町も「人と自然の共生は町の大きなテーマ。今ある自然を地域振興にも結びつけたい」と乗り気だ。
 神田さんは「研究者と地域住民、行政が一体となってやりたい。来年度いっぱいでなんとかめどをつけたい」と張り切っている。
 同委員会は「友の会」会員を募集中。一口千円で会員になれば、柏島の海の様子や新発見の魚介類の紹介等が電子メールで送られる。
 問い合わせは事務局=電話0880(76)0026