大月町・黒潮実感センター準備委
大阪で「出張学集会」 柏島の自然PRへ 開催希望の中学校募集
(「高知新聞」平成11年10月21日掲載)

 幡多郡大月町柏島の豊かな自然を生かした拠点施設設立を目指す「黒潮実感センター 設立準備委員会」(会長=柴岡邦夫町長)は、県外への「出張環境学習会」を企画。 大阪府内の中学校を対象に紹介資料を送付し、参加校を募っている。11月に関係者が 各校を訪ね、ビデオなどで同町の海の豊かさを紹介する。

 同委員会は、高知大・高知医大非常勤講師の神田優さん(33)ら大学研究者や、地元代表者らで昨年7月に発足。柏島は周囲約4キロの範囲に豊かなさんご礁があり、約 1千種に上る魚類が生息する国内有数の海洋生物の宝庫であることから、島全体を自然の博物館と見たてて体験学習や環境保全活動を行う「フィールドミュージアム構想」を打ち出し、中心組織となる「黒潮実感センター(仮称)」の設立を目指している。
 同委員会事務局を担当する神田さんが取り組みの一環として県内で環境学習活動を 開いてきたが、活動を全国規模に広げ、柏島の魅力を全国にアピールしようと出張学 習会を企画した。
 紹介資料やアンケートを送った先は、大阪府内のほぼ全中学校に当たる520校。参加要請のあった各校を11月、神田さんや町職員らが訪問し、海中ビデオや写真を使ってさまざまな海洋生物の紹介や環境保全の必要性を訴える。旅費は大月町が全額負担するため、各校参加費は無料。
 町総務政策課は「環境保全の必要性を理解してもらい構想を実現するには自治体の 枠を超えて現地の魅力を知ってもらう必要がある。将来的には近畿圏、関東圏へと活動エリアを広げ、体験学習型の修学旅行誘致や地場産品販売など町おこしにもつなげたい」と話している。問い合わせは、大月町総務政策課(0880-73-1111)