大月町の振興策探る
町職員の学習会が発足
(「高知新聞」平成11年10月20日)

 幡多郡大月町の職員が、地元の課題や振興策を話し合う学習会「あした」を発足させ、18日夜、1回目の学習会を開いて同町柏島に持ち上がる黒潮実感センター設立構想について学んだ。
 地場産業の衰退など20年前に約1万人だった人口が現在約7500人と低迷する中、職員が各課の枠を超えて課題や振興策などを話し合おうと町総務政策課が企画。閉庁後、月1回のペースで▽介護保険制度▽町立大月病院の経営問題▽地元への企業誘致▽町財政問題―など、職員が自主的に学習会を開くことにした。
 会には34人が参加。同センター設立準備委事務局長で高知大・高知医大非常勤講師の神田優さん(33)から構想の具体的内容や、実現した場合の地域振興の可能性などの説明を聞いた。
 参加者は「担当外の事業を住民に聞かれても説明ができる」などと評判はまずまず。町総務政策課は「地域が衰退する中、町職員に対する住民の目はますます厳しくなっている。一方で期待もされているが、『担当じゃないから知らない』ではなく、職員皆で問題を考える体制を作りたい」と話している。

あす大月町で海洋セミナー(「高知新聞」平成11年10月27日)

 幡多郡大月町の海の豊かさなどを紹介する「第6回海洋セミナー大月」が28日夜、同町柏島の柏島漁協2階で開かれる。
 大学研究者や地元住民らでつくる黒潮実感センター設立準備委員会(会長=柴岡邦男町長)の主催。午後7時から9時ごろまで。
 「漁業と海洋レジャーとの共存について」と題し、環境保全活動や各種事業に取り組む松田猛司さん(46)=和歌山県在住=が講演する。
 スキューバダイビングなどの海洋レジャーと漁業者とのトラブルが各地で問題化する中、両者の共存共栄をどう図るかを中心に話す。参加無料。問い合わせは柏島中学校内の同準備委員会事務局(0880・76・0026)

漁業とレジャー共存へルールを
大月町で海洋セミナー
(「高知新聞 平成11年10月30日)

 幡多郡大月町の海の豊かさなどを学ぶ「第6回海洋セミナー大月」が28日夜、同町の柏島漁協で開かれ、海洋レジャーや環境保護活動などに詳しい会社役員、松田猛司さん(46)=東京都港区=が講演した。
 大学研究者や地元代表らでつくる黒潮実感センター設立準備委員会(会長=柴岡邦男町長)の主催。
 同町は近年、スキューバダイビング客が急増しており、柏島に通じる平山トンネル(県道柏島−二ツ石線)も14年度末完成へ整備が進んでいる。
 開通すれば観光面への波及効果が期待される中、今後の地域づくりの参考にと、和歌山県などで海洋レジャー産業にかかわっている松田さんが「漁業と海洋レジャーの共存について」と題して話した。
 松田さんは地元住民ら約70人を前に、ダイビング客が増えるに従い、サンゴ破壊や漁業者とのトラブルが増える懸念を中心に説明。「各組合が話し合い、地域が一定のルールづくりをしなければ柏島も5年後、10年後にはめちゃくちゃな状態になると思う。一次産業と三次産業が共存できる環境を整え、柏島を売り出す会社などを作ってはどうか」などと提言した。