柏島 島がまるごと自然博物館に
暮らしと観光両立へ
(「朝日新聞 地方版」 平成11年12月2日)

 県の西南端にある大月町の柏島を、まるごと自然博物館にしよう、という壮大な計画が進んでいる。かつてはカツオやアジなどの沿岸漁業で栄えたが、過疎化や後継者不足から漁業不振が続いている。
 最近、島にダイビングやいそ釣り目当ての観光客が大勢訪れるようになった。そこで、豊かな自然や伝統的な漁師の暮しぶりなど、島の魅力をそのまま見てもらうとともに、環境保護の情報発信センターにしようという試みだ。漁業と観光の共存を目指す「島おこし」が始まった。
(本文省略)

黒潮体験できる博物館を(「読売新聞」 平成11年12月2日)

 高知県・柏島にお住まいの神田優さん(33)からのお手紙が届きました。地図を広げると、柏島は四国の最西端、本土に接するように浮かぶ小さな島。神田さんはそこで「黒潮実感センター」という博物館づくりを進めています。
「と言っても箱物を重視した従来の博物館ではありません。島全体をフィールドミュージアムとしてとらえ、ダイビングや磯遊びなどを通じて体験型の博物館にしようと考えているのです。ここの海は、どこにでもある海ではありません。黒潮の影響を受け、温帯にもかかわらず熱帯産と温帯産の1000種近くの魚がいます。日本で確認されたのは約3600種ですから、その約3割にもなります。島の周りにはイシサンゴ類が群生しています。海の豊かさと、優しくもてなしてくれる人情がすばらしいところです」
 学生時代にダイビングに来たのが、島との出会い。その魅力を広く伝えたいと博物館づくりを思い立ったそうです。高知大などの非常勤講師を務める傍ら、昨年4月から島に住み込み、同7月に博物館の設立準備委員会を設立しました。
 会長は大月町の柴岡邦男町長。神田さん自身は事務局長に就き、3年後のオープンを目指して走り回っています。柏島中学校の生徒たちが、海をテーマにした絵を学校の塀に掲示するなど、地元の動きも盛り上がっているそうです。
 博物館づくりを支援してもらう「センター設立友の会」の会員を募集しています。年会費は個人1000円、団体2万円。黒潮のにおいを体いっぱいに感じてみたい、という方、いかがですか。連絡は柏島中学校内にある事務局(0880・76・0026)までお願いします。

高齢者住宅を研究
施設介護外れた人対象
(「高知新聞」平成11年12月21日「議会〜議会・大月町」)

 (20日)一般質問。二氏が介護保険制度や地域振興策などについて執行部をただした。柴岡邦男町長らの主な答弁は次の通り。
 黒潮実感センター(仮称)の将来構想として、@地域振興A環境保全活動と情報発信基地B地域に根ざした学術研究と生涯学習のサポート、の三つを柱に据えた機関として位置づけたいと考えている。運営資金の調達方法や地元対策、海面利用に関して漁協との調整もあり、設立時期は明確には答えられないが、法人化などの検討を図る中で来年度は設立に向けた事務処理を早急に進めたい。
 現在、大月町民も特別養護老人ホーム入所者は七十一人。待機者は十八人。老人保険施設に十四人。療養型病床群に十七人がいる。在宅介護者の家族の高齢化などを見込むと、入所希望者は減少せず、今後五年間七十人程度で横ばいだろうと予測している。また、制度から漏れ、施設介護を受けられなくなった人のために、高齢者住宅を立ち上げるべく、関係課を通じて研究している段階だ。

支社局が選ぶ5大ニュース(大月町)(「高知新聞」12月23日)

@機動隊員2人死亡
 安満地漁港内で11月、潜水捜索をしていた県警機動隊員2人が死亡していた。
A平山トンネルが着工
 柏島、一切地区の悲願だった平山トンネルが9月に着工した。
B5中学統合へ
 町内の中学校全5校を統合する「大月中学校」建設が11年度から始まった。
C実感センター始動
 黒潮実感センター設立準備委員会が始動し、県内外で環境学習会を始めた。

D「50人会」が発足
 農林水産業の活性化に向け7月、推進委員会(通称・50人会)が発足した。