第七回海洋セミナー大月を開催しました

 3月1日、「魅力ある沿岸漁業への挑戦ー沿岸漁業の生き残りをかけた戦略ー」と題し、「第7回海洋セミナー大月」を開催しました。講師には、明石鯛や明石蛸で有名な兵庫県明石市の林崎漁協から鷲尾圭司氏をお招きし、林崎漁協が取り組み成功させてきた事例をもとに、お話をしていただきました。



 今回のセミナーも大変盛況で、74名の方がご参加下さいました。開催地が「柏島」、それも晩の7:00から9:00という時間帯であったにもかかわらず、島外・町外からも多くの方が参加して下さったことに、主催者側としまして感謝します。

 簡単にセミナーの内容を説明しますと、従来、水揚げするまでが漁業であり、その先どのような消費者に、どのように消費されるかということはあまり問題視されていませんでした。しかし、乱獲や海洋汚染による資源の枯渇や、大漁に漁獲することによる魚価の低下などは、現在の漁業不振の原因となってます。
 林崎漁協では、漁業者が漁獲する魚を、いかに消費者のニーズにあった形で提供するかに焦点を当て、マーケティングに力を入れました。そういった仕事を専門にする部屋が企画研究室で、漁協単独でこのような組織を持っているところは全国的に見ても非常に珍しいことです。
 今回はイカナゴの釘煮や海苔養殖、明石鯛や明石蛸にまつわるお話を交えながら、非常にためになるお話がきけました。

 参加者からも感想のメールがいくつか届きました。その一つを紹介しますと、

-----------------------(二村さんのメールから一部抜粋)--------------------

  先日、海洋セミナーに初めて参加し、明石の漁協の方のお話を聞いたのですが、 帰ってから妙にジワジワきている話があります。
  それは「関サバ」の話。 釣ってすぐに届ける漁協のものより、 一日置いて届ける漁協のもののほうが値段が高いそうです。 理由はその方がおいしいから。
 当然、新しいものの方が高いと思っていた私には目からウロコの話でした。

*  今や生産地と消費地の距離は問題ではない。
*  問題なのは届けるタイミングである。
*  「思い込み」というものを見直すべき。

 講師の方のこの言葉が、何故かくりかえし浮かんできます。

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 今後柏島だけでなく大月町の各漁協でも、このような商品開発やマーケティングリサーチが発展することを望みます。