自然博物館構想の柏島
人と海共生考える
10日「里海」巡りシンポ
(「朝日新聞」6月8日掲載)

 環境保全を考え、島と住民が安心して生活できる地域おこしなどを目指す大月町柏島の黒潮実感センター設立準備委員会は十日午後一時から町立柏島中学校体育館で「柏島シンポジウム」を開く=写真。準備委は、島全体を丸ごと自然博物館にする構想を進めており、シンポでは「里海 身近な自然とともに─環境保全型地域おこしを考える」をテーマに、自然博物館のあり方や役割などを話し合う。十一日午前九時からは、遊覧船による周辺の島巡りやスキューバダイビング、柏島体験ツアーなども計画されている。
 柏島は周囲約四キロ。かつては漁業で栄えたが、住民の高齢化で漁業不振が続く。しかし、島沿岸では熱帯産と温帯産の魚が混生し、約一千種の魚が確認されている。サンゴは日本有数の規模で群生し、ダイバーらの人気を集める。
 シンポでは、人と海の生物が共存する柏島周辺の海を「里海」ととらえ、人と自然がどうしたら共存できるかを話し合う。シンポに先立って、柏島中の生徒が「島を教材に環境学習で学んだこと」を報告。横須賀自然・人文博物館の林公義副館長が「地域社会と自然博物館」と題して基調講演する。
 パネルディスカッションは、池田誠・東洋大国際地域学部教授の司会で、林副館長//橋本大二郎知事//立川涼・愛媛県環境創造センター所長(前高知大学長)//神田優・黒潮実感センター設立準備委員会事務局長の四人がパネリストを務める。参加無料。
 柏島体験ツアーは有料で、遊覧船による島巡り(大人 二千円、子ども千円)//遊歩道(観音岩からお猿公園)探索(三百円)//グラスボート(大人千円、子ども五百円)//スキューバダイビング(初心者一万五千円、経験者一万二千円)がある。
 問い合わせは、準備委(0880・62・8022)へ。