柏島は「里海」
自然との共生考える
知事ら招きシンポジウム
(「高知新聞」6月11日掲載)

 幡多郡大月町柏島周辺の海を「里海」ととらえ、人と自然の共生を考えるシンポジウムが同町の柏島中学校体育館で開かれ=写真、町民ら約二百人が参加した。柏島周辺の海洋生物の研究拠点機関設立を目指す「黒潮実感センター設立準備委員会」の主催。
 柏島中生徒の環境学習発表でスタート。生徒は「サンゴ礁の海を守るために、清掃活動や他校との交流を行いたい」と柏島の豊かな自然について報告した。続いて林公義横須賀市自然・人文博物館副館長が「地域社会と自然博物館」と題して講演。「島の環境を地域が守り、博物館として運営してほしい」と提言した。
 引き続き行われたパネルディスカッションには、林副館長のほか橋本大二郎知事、前高知大学長の立川涼愛媛県環境創造センター所長、神田優同準備委事務局長が参加。池田誠東洋大学教授をコーディネーターに、環境保全型地域おこしについて話し合い、「自然博物館という考え方はこれからの時代に即している」「訪れた人たちにも環境保全ルールを守ってもらう。それが一番の課題」などの期待や意見が出された。
 最後に同中二年の島崎里奈さんと増田光さんから「里海宣言」が出され、柏島の海と自然の暮らしを守ることを参加者全員で誓い合った。
 十一日は「柏島体験ツアー」と題し、スキューバダイビング体験やグラスボート、遊覧船などによる柏島の自然探訪が行われる。