*第9回海洋セミナー大月開催のお知らせ!

・テーマ:「海で元気になった子どもたち」
・日 時:  3月 5日(月) 午後7時30分〜9時30分頃
・場 所: すくも湾漁協柏島支所 2F(前柏島漁協)
・講 師: 三宅島自然ふれあいセンター・アカコッコ館
      ジャック T. モイヤー氏
・主 催: 黒潮実感センター設立委員会
・後 援: 大月町・タカラ酒造・富士ゼロックス端数倶楽部
・参加費: 無料
・お問い合わせ:黒潮実感センター設立委員会 
 事務局:0880-62-8022 

--------------------------------------

 今回は米国出身の魚類生態学者のジャック・T・モイヤー博士を講師にお招きします。
 モイヤー博士は三宅島で約五十年間にわたり研究活動を続けられ、イソギンチャクと共生するクマノミという魚の生態の研究などで世界的に知られています。
 また、ナチュラリスト(自然主義者)として日本の野生生物の保護に関する貢献度は高く、さまざまな表彰を受けられているほか、自然教育の必要性を唱え実行されている方々の一人でもあります。
 今回は「海で元気になった子どもたち」をテーマにご講演いただくわけですが、子どもの健全な成長には海や山、川といった自然というものがいかに大切で不可欠なものなのか、博士が長年にわたって取り組んでこられている、三宅島でのサマースクールでの成果などを中心にお話しいただく予定です。またそういった素晴らしい自然環境を守っていくために博士が行っている環境保全活動についてもお話しいただこうと思います。

 これらの活動は実感センターの構想にも通ずるものであり、この自然豊かな、高知県、大月町に暮らす私達にとって非常にためになるお話になると思います。
 また、現在深刻な状況にある三宅島の話もしていただく予定です。

 自然を愛する人、子育てに悩んでいる人、関心のある多くの方々のご参加をお待ちしております。

ジャック・T・モイヤ−博士 プロフィ−ル

 1929年3月7日、アメリカ合衆国カンザス・トペカに生まれる。
 少年時代をカンザスの大草原やカナダとの国境近く、ウィスコンシン北部に残る深い落葉樹林の森などの大自然と共に過ごし、そのことが後のナチュラリストとしての基盤となる。
 1952年、生物学と東洋学を学んだニューヨーク・コルゲート大学を卒業、その後朝鮮戦争の期間をアメリカ空軍の一員として過ごした後、ミシガン大学において魚類学の修士号を取得。さらに1984年、東京大学において珊瑚礁に棲む魚の繁殖生態に関する研究により博士号を取得。
 1952年、当時アメリカ空軍による爆撃訓練の演習地とされていた三宅島南西沖の岩地・大野原島(通称三本岳)を繁殖地とする世界でも貴重な海鳥・カンムリウミスズメを救うため、当時の米トルーマン大統領の側近に爆撃中止を訴えた手紙を送る。その結果、爆撃訓練は中止され、このことをきっかけに三宅島の人々との長年に渡る交流が始まる。後に島の名誉市民となる。
 日本の野生生物の保護に関する貢献は広く、これまでに環境庁、日本野鳥の会、また世界自然保護基金日本支部からの表彰を受ける。1996年には朝日新聞より、海における環境教育活動への貢献に対して初のAnnual Ocean Awardが授与される。
 1998年2月、海洋生態学のフィールドにおける長年に渡る貢献に対し、株式会社SMHジャパンにより、オメガ創立150周年記念の表彰を受ける。
 また執筆活動も広く学術的なものから一般向け雑誌に至るまで、これまでに300以上に渡る論文を発表している。
 過去にはアメリカンスクール・イン・ジャパンにおいて教師、また5年間に渡って副校長を務め、現在までに同スクール、また日本魚類学会の理事を務める。
 現在は三宅島ネイチャーセンター(アカコッコ館)、並びにフィリピン・ネグロス島・バイス市の環境顧問として務める他、鳥羽水族館、日本水中映像(株)の科学顧問、またアメリカンスクール・イン・ジャパンにおける野外教育顧問、そしてJR東日本・AQUAのエコツアーの顧問として幅広く活動する。またコラムニストとして、月刊誌等にも執筆を続けている。
 三宅島では1970年以来、田中達男記念生物実験所の所長を務める。  さらにIUCN(国際自然保護連合)・種の保存委員会における生物多様性保全のための特別委員として選出される。1998年2月、東京都により、2年間の東京都観光事業審議会の委員として選出される。またスイス・ジュネーブにあるFoundation for Environmental Conservation により、地球環境保護に貢献する世界の学者・専門家1300人のうちの一人に挙げられ、世界初の出版となった"World Who is Who and Does What in Environment and Conservation" Earthscan,London, January.1997. にその名前が記される。
 1999年発行の "Who's Who in the World" にもその名が記載された。
 現在は、海とその資源の保護を目的として設立されたグループ・ニライカナイの主催者を務める。 そして最愛の家族(奥様のロルナさん、息子のジャック・Jrくん、娘のレオナちゃん)と共に過ごす時間を、とても大切にしている。
------------------------------------------------------------------------

著書

『モイヤー先生、三宅島で暮らす』(1993年 どうぶつ社)
『海を楽しむ』(1994年 岩波書店)
『さかなの街』(1994年 東海大学出版)
『南の島から日本がみえる』(1995年 岩波書店)
『御蔵島のイルカ』(1997年 海游舎)
『サンゴの海』(1998年 フレーベル館)
『のぞいて見よう 海の中』(1999年 海游舎)