柏島の良さ知って 大月町の黒潮実感センターが「里海通信」を創刊
(高知新聞)

 幡多郡大月町柏島で海洋生物の研究機関設立に取り組んでいる「黒潮実感センター設立準備委員会」(神田優事務局長)はこのほど、地域のコミュニティー誌「里海通信」を創刊。柏島地区の二百二十五戸の住民に配布した。

 同準備委は、約千種の海洋生物がいるという柏島周辺の海を「里海」ととらえ、人間と自然との共生を図ろうとシンポジウムやセミナーなどを通じて訴えている。これまで、活動報告や告知は町広報を通じて掲載してきたが、より地域に密着した形で行いたいと、昨年秋から準備を進めてきた。

 「里海通信」は月刊でA4判のモノクロ四ページ。創刊号のメーン記事は、神田事務局長が柏島を知り、活動を始めるに至った経緯を「柏島への想(おも)い」と題してつづっている。
 同準備委は毎月の「里海通信」をとじるファイルも付けて住民に配布した。

 神田事務局長は「地元の人に柏島の良さを再認識してもらい、環境保全に努めてほしいという気持ちで作りました。肩の凝らない紙面にするために、地域の行事などの写真やニュースも織り交ぜていきたい」と意気込みを話している。

←写真:黒潮実感センター設立準備委が創刊した地域誌「里海通信」。手前のファイルとともに柏島地区の住民に配布した(大月町柏島)

*****5日にセミナー*****

 黒潮実感センター準備委は五日午後七時半から、柏島地区のすくも湾漁協柏島支所で、「第九回海洋セミナー大月」を開催する。
 講師は米国出身の魚類生態学者、ジャック・モイヤーさん。
 モイヤーさんは東京の三宅島を拠点にして約五十年間にわたり海洋生物の研究に取り組んでいる。今回は「海で元気になった子どもたち」と題し、教育と自然環境との接点について話す。
 また、昨年の噴火で大きな被害を受けた三宅島の現状報告も行う。
 参加無料。問い合わせは同準備委(0880・62・8022)。