柏島で「海の健康診断」サンゴ群集など調査
(平成13年5月18日 高知新聞掲載)

 幡多郡大月町柏島の「黒潮実感センター設立委員会」(神田優事務局長)と大月スクーバダイビング組合(福留輝政組合長)は17日、柏島北側の後ろ浜でサンゴの群集など、海洋生物の生態調査を行った。
 世界共通の方式に基づいて行われるもので、いわゆる「海の健康診断」。県内では初めての調査となった。
 今回行われたのは「リーフチェック」と呼ばれる調査。4年前から世界各地で始められ、国内では沖縄、和歌山県など14カ所で既に実施されている。
 ことしから調査対象に加わった柏島には、神奈川県からのコーディネーターやダイビング業者ら15人が参加した。

 早朝、2隻の船で出発したメンバーは約5分かけて潜水ポイントに到着。水深3メートルと10メートルの海底にそれぞれ縦5メートル横100メートルの区域内にいる魚やサンゴなどの種類、個体数を調べていった。
 調査は夕方まで行われ、この結果は米カリフォルニア大に送られた後、世界規模の資料の一つとしてまとめられる。
 コーディネーターの一人、宮本育昌さん(34)は「非常にきれいな海であることは確か。波の荒い時などに破損した部分もあるが、全体的なダメージは少ない」と評価。主催した神田事務局長は「調査は継続することが大事。次回以降は一般のダイバーにもボランティア参加してもらい、啓発意識を高めたい」と話している。
[写真]水中で筆記できる用紙を手に、調査に向かうダイバー(大月町柏島)