「高知フィールド・ミュージアム協会」立ち上げ!

 黒潮実感センターは高知初の海のフィールド・ミュージアムとして今立ち上げを急いでいるところですが、私たちも含めて高知県各地にある博物館や学習施設を、情報と人のネットワークにより結び、高知全土をフィールド・ミュージアムにしてしまおうという考えを私を含む3名(今回の発起人)が3年前に県に提案し、採択されました。県主導で何度か検討委員会が作られ会合がもたれましたが、未だ実現には至っておりません。 高知に自然史博物館を造る見通しが全くたたない現在、いろいろな教育・宣伝活動を通じて、広く県民に自然史博物館の必要性を認識してもらうような方策が必要です。そのための入り口が「フィールドミュージアム」の構想です.現状では自然史博物館には手が届きませんが、フィールドミュージアムなら県の方針でもあり現知事の公約でもありますから、現実的な対象となります。このフィールドミュージアムに積極的に関与していくことで、自然史博物館を目指したいと考えています。

「高知フィールドミュージアム協会」の設立総会を次の通り行ないます。

★ 「こうちフィールドミュージアム協会」設立総会
 日 時 … 7月12日(木) 19:00_20:30
 場 所 … 高知県社会福祉センター「NPO会議室」
※ 県庁前を東に行ったところ(お堀沿いです。)

多くの方の参加をお願いします.以下はこの会への呼びかけ文です.



「こうちフィールドミュージアム協会の発足にあたり」
【発起人代表:熊沢 秀雄】

 ミュージアム(博物館)というと,物が展示されていたり,客寄せの施設といったイメージを持つ人も多いでしょう.しかし,博物館にはもっと別の大切な機能があります.それは関連する地域情報を集め,発信する基地であり,図書館と同じく,その地域の人々のための文化教育施設であり,学校教育の強力な助っ人でもあります.学校や図書館と同様,博物館は文化政策の必須アイテムなのです。

高知県内には現在,守備範囲が限定された自然史系の博物館が数ヶ所ありますが,全県を総括するような自然史博物館はありません.自然史博物館は,地域の自然に関する情報を集め,それを地域に還元していく県の自然保護センター的な役割も担い,県民の自然環境に対する意識改革に大きな影響を与えます。総合的な自然史博物館は,高知県の未来にとって絶対に必要なものなのです。

必要な施設なら造ればよいはずですが,実際はいろいろ難関があります。そこで私たちは,できることから始めることにしました.自然観察や環境教育,その他自然に関するいろいろな活動をしている県内各地の団体や施設をネットワークで結び,全体として自然史博物館の機能の一部を代行させるという案です.展示施設については,既存の施設で対応できない面も多く,県内の自然そのものが「展示品」となります.このアイデアは県民 からの提案事業として高知県行政に採用され,「こうちフィールドミュージアム計画書」(平成12年,県環境保全課)として第一歩を踏み出しました.

 こうした経緯を踏まえ,私たちは県行政による「こうちフィールドミュージアム」への取り組みを支援する民間団体「こうちフィールドミュージアム協会」を立上げることにしました.「こうちフィールドミュージアム協会」は,高知県民 が県内の自然について情報を交換し,蓄積し,共に学び,理解を深めて行くため の仕組みを,県行政と共に作って行きます.
その活動を通じ,高知県民,特に児童生徒を取巻く学校教育,特に理科教育への貢献や文化的環境を大きく変えることも意図しています.もちろん,県内の生涯学習,環境教育,自然保護活動への貢献といった目的もあります.

 この会には誰でも入会できます.なすべき事はたくさんありますが、まずネットワーク作りから始めねばなりません.そこから先何ができるかは,この会に参加してくれる皆さんにかかっています.高知県のナチュラリストの伝統を復活させ,私たちの郷土から,第2,第3の牧野冨太郎,寺田寅彦が輩出されるよう,大きな希望をもって,私たちと共に「こうちフィールドミュージアム」を育んで行こうではありませんか.

 上記の考えにご賛同いただける方々は是非、設立総会にご出席していただきたいと思います。私、神田も発起人の一員としてこの会には参加します。多数の皆様のご参加を心よりお待ち申し上げます。
神田 優 KANDA, Masaru (Ph.D)