高知大、柏島テーマに講座スタート・漁業権とダイバーなど
(平成13年10月6日 読売新聞・高知版掲載記事)

 全国有数のスキューバダイビングスポットとして知られる大月町柏島をテーマにした講座が高知大(高知市朝倉)で始まった。
 法律や環境の専門家が講師を務め、漁業権とダイバーの関係や豊かな生態系を紹介する“柏島学”に学生の人気が集まりそうだ。 

 柏島全体を一つの野外博物館にしようという運動を進める黒潮実感センター設立委員会事務局長で高知大非常勤講師の神田優さん(34)らが中心となり開講。島を様々な角度から分析し、環境への意識向上と同時に社会に目を向けてもらう狙いで、高知大1年生を対象に来年1月まで毎週1回、人文学部や農学部の助教授らが講師を務める。

 初回は神田さん自らが潜水して撮影した柏島の海の魚やサンゴを紹介。ブルーの魚群や性転換する珍種の魚、巨大なテーブルサンゴなど世界有数の豊かな生態系を約250人の学生が興味深げに見ていた。
 1年生の佐々木智子さん(19)は「島に見たこともない魚がいることを初めて知りました。これからも受講したいです」と話していた。神田さんは「単なる美しい自然ということだけでなく、環境破壊や漁業との法律問題などいろいろな課題を学生に提示していきたい」と意欲を見せていた。


高知大生を前に柏島の生態系を紹介する神田さん(高知大で)