魚類生態の研究施設/土佐清水 各大学が共同利用

(平成13年12月18日 毎日新聞高知版掲載記事)

 土佐清水市は17日、各大学が協同で利用する「魚類生態研究施設」(仮称)を02年度中にも市内に建設する方針を明らかにした。

 同日始まった定例市議会一般質問で、西村伸一郎市長らが答えた。市によると、同市の以布利漁港または周辺に建設し、宿泊施設とシャワー、会議室などを設置。高知大を中心に研究者10人程度が常駐、魚類の調査研究に当たる。

市は「県や地元の協力が得られれば設計に着手し、02年度中に完成したい」としている。
 同漁港に97年、大阪海遊館海洋生物研究所以布利センターがオープン。その後3年間、高知大と京大、海遊館が協同で周辺の海を調査。今年2月に魚類567種を収めた図鑑を出版、8月には出版記念フォーラムを開催した。

 これらがきっかけで今年10月、高知大農学部の山岡耕作教授(魚類生態学)と愛媛大、大阪市立大の研究者が協同で同市に施設設置を要請していた。

 山岡教授は「以布利は魚類が豊富なうえ、潜水調査を伴う研究に地元の理解がある。施設ができれば全国から若い研究者が集まり、将来が科学的情報の発信や町おこしにつながる」と話す。

 また地元で今年、マンボウと遊泳を楽しむ「マンボウパーク」を試験開催した以布利漁協の川上裕敏・代表理事組合長は「施設の内容がまだわからないが、我々も海に関連した活性化をめざしている。プラスになるなら歓迎したい」と話している。