大月町・柏島 魚類の宝庫、保護へ
高知大で26日シンポ 大学、行政の役割探る
〜平成14年1月14日 毎日新聞(高知版)掲載〜


 1000種類近い魚類が生息する大月町・柏島を題材に、大学と行政は環境保護のため何が出来るかを探るシンポジウム「高知の海の環境教育と環境行政 大学と県の役割」が、26日午後4時から高知市曙町の高知大で開かれる。無料。
 柏島を自然博物館にする運動を進める黒潮実感センター設立委員会(神田優・事務局長)と同大の共催。両者は99年11月から島周辺の魚類の生態や、法整備まで含む幅広い環境保護について共同研究している。
 成果の一部は、同大の共通教育授業科目講座「土佐の海の環境学」(昨年10月〜今月の計13回)で発表されている。
 講師の一人を務めた神田さんは、漁師やダイビング業者、行政、NPO(非営利組織)などが連携し、海の利用ルールを作り、海がもたらす経済効果の公正な分配策を考えなければ、島の自然を守るのは難しいと説明している。
 シンポでは婁小波・東京水産大学助教授の基調報告「柏島の現状と課題」(仮題)に続き、深見公雄・高知大学農学部教授を座長に、橋本大二郎知事や柴岡邦男・大月町長、小椋克己・県立龍馬記念館長、山本晋平・高知大学長と神田さんがパネルディスカッション。成果は今後、県内のさまざまな自然保護に生かされる。[古谷秀綱]



豊富な魚類が生息する柏島周辺の海底=黒潮実感センター設立委提供