「環境保護、地域と共に」大月・柏島 高知大でシンポ
橋本知事ら熱い討論

毎日新聞 2002年(平成14年)1月28日 地域のニュース掲載


 国内最多の魚類約1000種が生息する大月町柏島を題材に、大学や行政は環境保護のため何が出来るかを探る「土佐の海の環境学シンポジウム」 (高知大、黒潮実感センター設立委共催、毎日新聞高知支局など後援)が26日、高知市曙町の高知大学で開かれ、研究者らが橋本大二郎知事らと熱心に討論。学生や市民約160人が聞き入った。

 高知大は、柏島をまるごと自然博物館にする運動を進める同設立委 (神田優・事務局長)と共同で99年11月から島周辺の魚類を調査、環境保護に関する法整備へ向け研究を進めてきた。
 シンポでは、まず婁小波・東京水産大助教授が「海の利用は近年、漁業からダイビングなどのレジャーへ多様化した。環境保護には海の利用ルール作りと環境教育、人材育成が大切」と基調報告。橋本知事や柴岡邦男・大月町長、神田さんら6人がパネルディスカッションした。
 柴岡町長は、神田さんの黒潮実感センター運動のうち、地元漁民とダイバー間の利害調整や、教育・研究活動に期待を表明。神田さんは「活動の核となる施設を作りたい」などと語った。
 パネリストの多くが「環境保護は、まず地域の人の理解が大切」との見方で一致。橋本知事は「実感センター運動をさらに進めるには、多くの大学生に協力を求め、柏島全戸を回って住民と話し合ってはどうか」などと提案した。