アオリイカの産卵礁60基設置
漁業者、ダイバーと協力
黒潮実感センター設立委、柏島で
(5/17 毎日新聞掲載記事)


 大月町柏島を丸ごと自然博物館にする運動を進める「黒潮実感センター設立委員会」(神田優・事務局長)はこのほど、地元の漁業者、ダイビング業者と協力し、周辺の海底にアオリイカの産卵礁を60基設置した。
 同委によると、柏島周辺は魚類など海洋生物の宝庫だが、近年は海藻が枯れる「磯焼け」が進んでいるという。同委は昨年4月、島の周辺2カ所に、海藻の代わりにアオリイカの産卵場となる産卵礁8基を試験設置。
 その結果、1基当たり最大1万房もの卵が産み付けられたことを確認した。
 今回の設置はこの成果を受けて宿毛湾漁協が事業主体となり、今月7〜9日に行った。同漁協組合員ら26人がスギの枝の産卵礁(高さ、太さともに約2メートル)60基を制作。ダイバー述べ5人が柏島東側湾内(水深10〜20メートル)2カ所に40基、北へ約4キロ離れた同町安満地の沖約100メートル(水深15〜20メートル)の海底1カ所に20基を設置した。
 アオリイカは上質のスルメに使われ、同委は「順調に産卵が進めば地元経済活性化の面からも、海の環境保護に寄与できる」と期待している。

産卵礁を設置するダイバー=柏島海底で7日撮影、黒潮実感センター提供