サンゴに食害進行 柏島で海の“健康度”チェック
(5/26 高知新聞掲載記事)


  幡多郡大月町の柏島で二十五日、ダイバーがサンゴの状態や魚の数など海の“健康度”を調べる「リーフチェック」が行われた。昨年の調査に比べると、浅い海底で貝によるサンゴの食害が進行しているという。

 リーフチェックは、サンゴ保護などに必要な情報をボランティアを中心に集めようと、一九九六年から全世界共通の調査方法で取り組んでいる。毎年、同じ場所を調べて変化を見ることにしており、本県では黒潮実感センター設立委員会(事務局=同町柏島)の呼び掛けで、昨年から柏島で行っている。

 調査は縦百メートル、幅五メートルの区域を、水深三メートルと十メートルの二カ所に設定。サンゴの状態などを調べる底質調査と、生物の数を調べる魚類調査、無脊椎(せきつい)生物調査を行った。

 柏島北側の後ろ浜で行われたリーフチェックには、ダイバーや大学生ら十九人がボランティアで参加。ダイバー十三人が次々と船から海に飛び込み、造礁サンゴの状態など海底を丁寧に観察し、耐水紙に結果をチェックしていった。

 「昨年の記録とも比べないと詳細は分からないが、水深三メートル地点では、巻き貝によるサンゴの食害が広範囲に進んでいるようだ」と同設立委の神田優事務局長。調査結果は米国・カリフォルニア大で集計され、環境保護の資料として役立てられる。

 【写真】海底のサンゴを調査するダイバーら(大月町の柏島=黒潮実感センター設立委員会提供)