エビ?カニ?新種? 宿毛市でウチワエビ幼生
(5/31 高知新聞掲載記事)


 宿毛市小筑紫町の小筑紫港でこのほど、全身が透き通った生物が見つかり、「いったい何?」「もしかして新種!?」と話題になっている。

 見つけたのは、近くで理髪店を営む布秀さん(53)。布さんは二十六日朝、港に浮かぶクラゲを見ていたところ、何か小さな物がクラゲにくっついているのを発見。早速すくい上げた。

 持ち帰った六匹は、それぞれ体長二―六センチほど。エビの体にカニの甲羅を乗せたような形で、何より特徴的なのが透明の体だ。「よく海を見るが、こんなのは初めて」と布さん。店に来たお客さんや、近くの漁師たちも「こりゃあ何ぜ?」「珍しいねえ」と驚くばかりだった。

 実はこれ、ウチワエビの幼生だという。ウチワエビは太平洋岸の水深五十―三百メートルの泥底に広く分布し、伊勢エビに似た味は皿鉢料理などでおなじみ。黒潮実感センター設立委員会の神田優・農学博士は「幼生の生態はあまり詳しく分かっていませんが、時折、クラゲにくっついて浮かんでくるのは知られています」と話している。

 【写真】小筑紫湾で見つかったウチワエビの幼生。透き通った体が特徴的だ(宿毛市小筑紫町小筑紫)


ここからは黒潮実感センターからの補足(おまけ)です。 これが成体です。食べるとおいしいんですよ。