県西南端の大月町柏島を丸ごと自然博物館にしようと計画している黒潮実感センター設立委員会が、柏島の海をテーマにした環境教育用の副読本を作った。島周辺の海の生き物や、海と島民のかかわりなどを写真付きで紹介。「子どもたちに少しでも海について考えてもらいたい」との思いがこもった一冊だ。
柏島は周囲約4キロ、人口約540人の小さな陸続きの島。周辺の海には約千種の魚類やサンゴが生息し、年間2万人のダイバーが訪れる。
同設立委は、自然豊かなこの島を魚類研究や環境保全の拠点にしようと高知大講師らが98年につくり、子どもたちの環境教育などに取り組んでいる。
「黒潮実感!島が丸ごと博物館」と題した副読本は県の「フィールドミュージアム推進事業」の一環で、同設立委が委託を受けて作った。柏島の魚の種類や生態、伝統漁法、海のレジャーを紹介するほか、サンゴの白化現象やダイバーによるごみ問題など海をめぐる課題も取り上げた。
「魚の体形と生息場所の関係は?」「漁師とダイバーが共存するには?」といった問いかけをし、子どもたちが自ら考え、調べるきっかけになるようにした。同設立委の神田優事務局長は「分からないところは実際に柏島に来て体ごと学んでほしい」と話す。
副読本はA4判、13ページ。詳しい解説付きのCD−ROMとセットで千部作った。小学生から大学生まで使えるといい、希望する教育関係者には無料で配付する。
問合せは同設立委(0880−62−8022)、申込みは県環境保全課(088−
823−9611)へ。
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