黒潮実感センター NPOで10月設立 大月町柏島
(7月17日 高知新聞掲載記事)


 幡多郡大月町の柏島をまるごと自然博物館として活用することを目指している「黒潮実感センター」設立委員会は16日、同町役場で総会を開き、今年10月をめどに同センターをNPO(民間非営利団体)法人として設立することを決めた。

 黒潮実感センターは、柏島全体を自然あふれる博物館ととらえ、自然体験や環境教育、情報発信などの拠点とする機関。10年7月に研究者や町関係者らで設立準備委員会を発足させ、12年8月からは設立委員会に切り替えて、NPO法人化への準備を進めてきた。

 これまで、高知大学非常勤講師の神田優・設立委事務局長らを中心に、アオリイカの産卵礁設置やサンゴを食べる巻き貝の駆除、海の環境教育副読本の作製など、地域に密着した活動を推進。賛同するボランティアも増えており、設立に踏み切ることにした。

 設立委総会には会長の柴岡邦男町長ら18人が出席。13年度事業報告などに続き、9月末での設立委解散と10月からのNPO法人としての同センター設立を承認。新たな事業として、海の環境教育研究サークルの立ち上げや、県内各地の海のフィールドマップ作りなどを決めた。

 このあと理事就任予定者による会合を開き、理事長に前高知大学長で愛媛県環境創造センター所長の立川涼氏、常勤のセンター長に神田局長を充てる方針などを決定。今週中に県へNPO法人設立を申請し、約2ヶ月後には認可される見通しだという。

 立川氏は「柏島の自然は大変な財産で、工夫次第で大きく化けるかもしれない。将来の楽しみに期待し、お手伝いしていきたい」と話している。

 【写真】NPO法人化を決めた黒潮実感センター設立委員会総会(大月町役場)