〜柏島のサンゴ守ろう ダイバーらが健康診断 大月町〜

幡多郡大月町の柏島沖でこのほど、大月ダイビング業者部会(梶原紹之会長)などが、“海の健康度”を調べるリーフチェックやサンゴの修復作業を行った。

 リーフチェックは、サンゴや魚の保護などに必要な情報を世界各地で定点調査する取り組みで、柏島では4年前から後浜沖で実施。地元ダイバーら約15人が、水深3メートルと8メートルの2カ所でサンゴの状態や生物の数を調べた。その結果、「ここ数年の台風やサンゴを食べる巻き貝などの影響で減っている」状況がうかがえるという。

 サンゴの修復作業も後浜沖で行われ、16人が参加した。台風などで壊れたサンゴの破片は、波に削られ続けると死んでしまう。このためコケを削り落とした岩に、直径10―20センチほどのサンゴを水中専用の接着剤を使って張り付けた。

 また、巻き貝に周囲を侵食されたサンゴを砕いて、元気な部分を岩に移植。巻き貝の「ヒメシロレイシガイダマシ」約3000個も駆除した。

 「サンゴが減ればそこにすむ魚もいなくなる。地道に活動を続けていきたい」と梶原会長。海の状況を見ながら11月ごろまで月数回、修復作業を続けるという。

 チーム科学者として参加した神田優・黒潮実感センター長は「これまでに修復したサンゴが根付き、2倍ほどに成長したことも確認された。いつの修復が効果的かなど調査を重ねることが大切」としている。

 【写真説明右上】美しい海を守ろうと懸命の修復作業が行われた(写真はいずれも大月町柏島沖)=黒潮実感センター提供

 【写真説明左下】ダイバーらがサンゴの破片を一つ一つ丁寧に張り付けていく

(高知新聞5月27日掲載記事)