〜柏島春の風物詩 メノリの口開け〜

 春になり柏島に吹く風も次第次第に春めいてきました。
 今年は2月14日がメノリの口開け日(イワノリ漁の解禁)でした。
 朝9時に漁協から放送があると、後ろの浜に陣取った島の女性らはいっせいに波しぶきを浴びる岩の表面に付いているメノリをかき始めます。
 「シャコ、シャコ、シャコ」と浜のあちこちから岩の表面を削る音が響きます。
 干上がってしまった場所には柄杓で潮をかけながら、やわらかくしてかき取ります。みんなおしゃべりをしながら楽しそうです。
 でも、毎年のようにメノリは少なくなっています。地球温暖化の影響で海藻が付きにくくなっているのかもしれません。
 集めたメノリは水洗いして簾に干して板海苔にします。
 干しあがったメノリをさっと火であぶって食べると、口一杯に磯の香りが広がります。
 島に春の訪れを告げる海からの恵みです。



9時のサイレンを聞くやいなや、いっせいにメノリをかき始める



メノリかき



潮をかけながらメノリをかく



かごに集められたメノリ



簾に広げて干される